月間6億PVのルーキー・GameWithの決算からこれまでを振り返る

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月間6億PVのルーキー、GameWithの決算からこれまでを振り返る


9月某日、GameWithの第2期決算広告が官報で発表されました。官報によると第2期は9426万の純利益で着地、期中である2月には月間6億のPVを達成しました。ここまでに2度のピボットがあり、どのように6億のPVを達成したのか、非常に興味深いので調べてみました。

これまでのサイトの成り立ち

gamewgraph
インタビュー記事、自社発表からグラフを作成※ホントは折れ線グラフにしたかったんですが発表月が無いため棒グラフで。

201x年9月にスタート、当初はCGM型のゲーム攻略Q&Aサービスでリリースし1ヶ月で100万PVを達成します。代表・今泉氏はインタビューにて「100万PV大きいか大きくないか判断がつかなかった」と答えています。

今泉:(中略)モバゲーの中にあったコミュニティ機能と同じイメージでQ&Aサイトをリリースしたら、たった1ヶ月で100万PVまでいったんです。でも、僕らはメディアを運営したことがなかったので、100万PVという数字がサイトにどんな価値をもたらすのか、わからなかったんですが。

しかしすぐに伸び悩んでしまいます。
想定していたようにユーザーが集まらず、コンテンツが増えませんでした。
CGM型のコンテンツ制作は無料である一方で、ユーザーが「書き手」ですから、ユーザーが増えないとコンテンツが増えません。
そこで、コンテンツを安価に、かつ大量に制作するためにクラウドソーシングを利用します。
CGM型から大量に制作するピボットを行います。その結果、サイトオープンから3ヶ月で1000万PVを達成します。

そこでGameWithはクラウドソーシングによりコンテンツを安価、大量に生産する方針に転換し、CGM型の運営モデルから一度撤退します。結果的にこのことが、GameWithが成功するひとつの要因になりました。

1000万PV達成後、資金調達も行い順風満帆かと思いきや、またもや伸び悩んでしまいます。
原因は、コンテンツの量が増えたものの集めたコンテンツの質が低かったことです。
コンテンツの質が低い、ならば質をあげようということで質をあげるためのピボットを行います。

そこで、創業メンバーが共同生活をしていたマンションの一室で、今泉さんはこんなでっかい決断をします。「GameWithを、プロのゲームライターによるコンテンツが集まるメディアへと方向転換しよう」と。

さらには、ここまで3ヶ月ほどかけていたプロジェクトを中止します。

そのとき、すでにサービスを開発して3ヶ月経っていました。社員の半数にあたるメンバーがプロジェクトに関わっていたのに「3ヶ月かけて作った機能は、いらなくなりました」とか勝手すぎますよね。なんていうか、これにかけた工数云々ではなく、社員のモチベーションが下がりまくって。関わっていた社員が辞めてしまうんじゃないか、というくらい社内が険悪な空気になりました。

しかし、専属のライターを雇ってからすぐに効果がでます。

田村:それを聞いて、正直、葛藤はありました。まじかよって感じで、不安もすごかった。これまで苦労して作ってきたものを、ぶっつぶすような決断なので。でも一人ライターを採用して実験的にスタートしてみたら、これがまた、反応がなかなかよかったんです。ダイレクトに変化が見えて、不安が確信に変わりました。

そこからは、2014年7月には5000万弱、8月には1億PV突破を発表します。そして2015年2月には6億PVを突破しました。

3ヶ月かけたプロジェクトを中止し、質の高い記事を内製するピボットには相当勇気が必要だったかと思われます。
されにそれでも誰も辞めなかったスタッフたち。これは会社としても非常によいターニングポイントになったのではないかと思います。

恐るべし6億PVのサイト

2015年2月のアクセス数  
PV 622800000
UU 16323000
デバイス比率 PC 10%:モバイル・タブレット 90%

(参考)月間6億PV『GameWith』勉強会で学んだアクセス数を半年で12倍にするグロースハックと、メディアとPVの程よい関係について | 株式会社LIG

30日で割っても1日2000万PV。メディアサイトで月間2000万PVでもそれなりのインパクトがありますが、それを毎日さばいて月間6億PV。アドネットワークの売上が0.1円でも6000万円ですから非常にうらやましいですね。
同規模のサイトが見つけられなかったのですが、媒体資料から拾ってきました。

  • 価格.com 9億PV
  • エキサイト 5億PV
  • はてな 2.9億PV

みんなの好きな「はてな」を超えてる・・・。サイト運営2年足らずでこれはすごいですね。
ちなみにITmediaや「RBB」で知られるイードでも合計して1億2000万ほどです。ゲーム強い。

(参考)価格.com 媒体資料
(参考)Excite Profile
(参考)はてな メディアガイド

純利益9426万から売上規模を予測

第2期決算公告 平成27年8月19日 貸借対照表の要旨(平成27年5月31日現在)

資産の部  
科目 金額(千円)
流動資産 731,317
固定試算 120,975
合計 852,293
負債及び純資産の部  
流動負債 113,025
賞与引当金 1,055
その他 111,970
株主資本 739,268
資本金 340,501
資本剰余金 339,500
資本準備金 339,500
利益剰余金 59,266
その他利益剰余金 59,266
(うち当期純利益) 94,263
合計 852,293

仮に経常利益(≒営業利益)が10%としても9億の売上、多めに40%としても2億くらい。
ただ、そこまで広告を入れてないので、売上規模は小さく利益率が高いことも想像できます。

今泉:基本的には広告です。ただ、一つ決めていることがあって、ゲーム会社からお金をいただいてプロモーションのための記事を書くことはしていません。実際、ゲーム会社からそういうお話をいただくことはあるのですが、お断りしています。やはり、ユーザー目線でいたいんですね。そこでお金をいただいてしまうと、企業寄りのコンテンツになってしまう気がします。GameWithで提供している情報は、ユーザー目線でつくられているからこそ見てもらえるのだと思うので、その本質的な価値がなくなってしまっては意味がありません。

社員アルバイトが65名。ほとんどがアルバイトとしても人件費はさほどかかっていないので、2-3億くらいの売上規模と予想です。

オニラのひとこと

さてこれからGameWithはどうなるでしょうか?

ゲーム攻略が主となっていて、ゲームが伸びている限りはその恩恵に預かり、サイトは成長していきます。
逆に言うと、人気がでないゲームばかりでは、サイトの成長は望めません。
ここ数年、パズドラ、モンスト、白猫を超えるようなタイトルは出ていません。検索のトレンドからもパズドラは下降トレンド、モンストはまだ行けそう、白猫はまだまだ時間がかかりそうに見えます。これに続くゲームが出てくるのでしょうか。
邪推ではありますが、2月に6億PVを発表してから、半年以上発表をしていないのは、もしかしてこのトレンドグラフのように6億がピークだったのかもしれません。(もしくは次なる10億までサイレントなのかもしれないかもですが)

個人的には、「質の高い記事」でサイトを成長させていることに非常に憧れをもっているので、まだまだここが伸びてほしいと期待しています。
今後は、このノウハウを活かしゲーム攻略以外のメディアを立ち上げるのか、はたまた広告モデルに舵をきるのか、いづれにせよ動向に目が離せません。


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photo by photo by Game Over / Jason Devaun

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